雨だれ、十題

ぽたり、ぽたり、
心に染みが広がっていく
雲隠れ
静寂を裂く雨音
身体の何処かが軋みを上げる
忘れられた雨傘
傘から出て濡れた肩
雨の日の記憶
想い出すのは、
雨上がりの匂いがした




雨の日に想い出すのは、もう手にはいらないあの笑顔。